top of page
検索

新年初本番

大変遅ればせながら明けましておめでとうございます。

今年も無事に新年を迎えられたことに感謝をし、毎日を丁寧に精一杯生きていきたいと思います。


例年、年明けすぐに大学のレッスンが始まるため、試験を控えた学生さんたちを前にお正月ムードは吹き飛んでしまうのですが、今年はとりわけ静岡県大での特別講義のため、年末から準備を進める日々となりました。


毎年複数回呼んでいただいている県大の講義は、県大の全学生・教員・職員と、席が足りれば一般の方も聴講できる形にしてくださっています。ポスターを作って学内に大きく掲示してくださったりも。

数々の素晴らしいご研究をされている先生方を前に、私のようなものがそのような厚遇を受けることに恐縮しきりで、自分の能力は一朝一夕には上がらないとしても、せめて毎回全力投球で臨ませていただこうと準備をしています。


今回の講義は昨日無事に終わり、寄せられた感想に目を通しながら一息ついているところです。

今回のテーマは「暦(こよみ)と音楽」として、西洋と東洋の暦や祝祭と音楽との関係や、暦と音楽の重層性を知り、世界を見る視点を増やすことを目的にしました。


音楽を含むリベラルアーツを学ぶ意味は、世

世界・人・社会についての多様な価値基準を獲得することに他ならず、自分の人生について、どう生きていくかということを考えるときに、いくつもの角度から物事を見ることのできる視点を持っていると人生がより自由に豊かになると、私自身これまでの経験から感じています。

焼き直しでなく、毎回一から講義を組み立てるのは相当に時間がかかりますが、聴講の方々にとって少しでも新しい気づきが得られるよう、毎回どんなテーマにしようかと悩みながらも楽しく考えています。


そして今回ももちろん、テーマに沿った曲を2曲演奏し、言葉で伝えることに限界がある部分を音楽からダイレクトに感じ取ってもらえるよう、言語と非言語の往還をしながら講義を進めました。

ちなみに今回演奏した曲は伴奏音源がなかったため、伴奏パートをフルートで多重録音した音源を持っていって吹きました。

苦手な録音機材の操作や多重録音にも大分慣れてきて、コロナ禍で手探りでやり始めたものを使いこなせるようになってきたことが嬉しく、この先の演奏(と演奏の場所)の幅も広がっていったらいいなと思います。


*****


今回学生さんからいただいた感想には、こちらの想像を超える気づきや洞察が書かれたものも多く、若い感性や感覚の鋭敏さ、知性の柔軟さに驚かされました。

更には当日、講義後に片付けをしていると一人の学生さんが質問をしに戻ってきて、それに答えた時に「その答えは衝撃です…!」という言葉が返ってきたのですが、その衝撃を受けることこそがリベラルアーツを学ぶことだな、と彼女の姿から私も学ばせてもらいました。


そういうわけで、年末年始は除夜の鐘と初詣以外、本当に家から全く出ずに、クリスマスにはキリスト教会暦と、お正月には日本の暦の学びとともに過ごしましたが、体は動かずとも頭の中は古今東西を飛び回っていて、それはそれでとても味わい深く過ごせたように思います。


有難いことに今年のスケジュールも段々と埋まりつつあります。多くの方と音楽で繋がれることを、今年も楽しみにしております。

このブログをお読みくださるみなさまの一年のご健康とご多幸を、そして少しでもより平和な世界になるよう、心より祈念いたします。


bottom of page