11月10日は御前崎の官長寺で開催された、菊花展に合わせた菊花コンサートでした。
境内には見事な菊が並び、植物をすぐに枯らしてしまう私としては、どうしたら繊細な花をこんなに立派に育てることができるのだろうとびっくりしました。きっと手間ひまと愛情と技術の賜物なのでしょう。ただただ尊敬いたします。
演奏前のご住職からの挨拶でも触れられましたが、このコンサートのご依頼をいただいたのは実は一年半以上前でした。
昨年の11月の菊花コンサートのご依頼だったのですが、生憎その時期はすでにスケジュールが埋まっており、一年お待ちいただいたという次第です。
お寺の本堂という神聖な場所で、フルート一本での演奏でしたが、一年以上前からご依頼いただいた身としては、とにかく聴く方々に喜んでもらうことを第一に、ループステーションと伴奏音源を駆使し、リクエストの曲にもお応えし、和笛も吹いてと、一人でできることを最大限詰め込んで頑張ったところ、終演後、なんと大変有り難いことに来年の菊花コンサートのご依頼もいただきました!
来年の菊花コンサートは今年と同じ11月、菊の花の咲く時期にご開催予定とのことです。また来年もお世話になれますことに本当に嬉しく思います。
次ももっとパワーアップした演奏と内容にすべく頑張ります。一年後、また御前崎のみなさまにお会いできますことを楽しみにしております。
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11月15日は静岡県文化政策審議会の委員会でした。
こちらは今年度から委嘱を受け、2026年までの2年間、静岡県の文化政策を制定するにあたり、意見を述べる専門家として委員を務めることとなり、この日が私にとっての初審議会でした。
18人の委員のみなさまの多くは文化政策や街づくりの専門家、文化団体のトップの方々などで、音楽家は私一人、実演家も私一人でしたので、マクロの視点ではなく、県内の文化活動を実際に行なっている現場視点からの意見を述べさせていただきました。
パリ留学時代、図書館かレッスンの帰りにヴォージュ広場という美しい広場の芝生の上に座っていたらふと、「いつか静岡の文化政策に携わってみたい」という思いが湧き上がってきました。
それから20年近く経ちこうして会議に参加していることに不思議な気持ちです。
静岡県は横に広く各地域の文化が豊かな分、地域やジャンルを超えたアーティストや実演家同士のネットワークが薄いのが課題の一つと個人的には思っていますが、今後は、県内で活躍しているアーティストのみなさまの当事者ならではの悩みや、文化政策に対する個々のアイデアやヴィジョンなども共有させていただき会議に乗せていけたらと思っており、それが実演家の立場としての私の役割でもあると考えています。
また、県内の民俗芸能の保存と継承に関する課題なども、フィールドワークとして関わるなかで少しずつ見えてきています。県内全体の伝統芸能を知り尽くすところまでは到底及んでいませんが、当事者の方々が抱える課題が解決する方向に向かえたらと思います。
2年という短い期間ですが、どんな立場の人々にとっても少しでも現状の課題の解決に向かえるよう、精一杯努めます。
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11月上旬はこれらと並行して、とある助成金申請にも取り掛かっていましたのでとても忙しい日々でした。そしてこの先もまだまだ演奏や講義は続きます。音楽家にとっては年末までのこの数ヶ月が一番ハードですが、体調を整えて駆け抜けます。
気圧や気温の変化で免疫が落ちやすい時期、みなさまもお身体大切にお過ごしください。